こんにちは
“これまでにない音楽アニメを作りたい”
そんな思いから作られた2024年のとある春アニメをご存じでしょうか
その名は“ガールズバンドクライ”
自分の居場所があると信じて、何かを好きだと誇るために歌う少女たちの物語です
今回は、さくっと簡単にガルクラについて話していこうと思います
ガールズバンドクライとは
一言にまとめるならば、
“神奈川県川崎市を舞台に、居場所を探す5人の少女たちがバンド「トゲナシトゲアリ」を結成し成長していく物語”でしょうか。
主人公は、高校を中退し、単身東京で大学を目指すこととなった女の子・井芹仁菜。
仁菜はある曲を演奏するストリートミュージシャンと出会い、物語の舞台は幕を開けます。
その曲とは“間違っていないんだったら我慢なんかするな”と、仁菜の背中を押してくれた道標でした。
ガルクラの魅力
キャラクターの個性の強さ
どの物語にも欠かせないのがキャラクター。
その性格やその言動に、ときに笑い、ときに泣き、そうしてキャラクターへの愛着を抱く。
ですから、魅力的なキャラクターであればあるほど、その物語は深みを増していくと私はそんな風に思っています。
例えば、主人公・井芹仁菜。
ニーナはさ、視野は狭いし、正論ばかりで融通はきかないし、そのくせ人見知りで愛想もよくないし、そりゃいじめにも遭うわ。……でも、うそはつかないんだよね。それにすべてに全力で、それはなんか安心できるし、付き合ってみるかって気持ちになる
安和すばるの台詞ですが、彼女の性格をよく言い表しています。
視野狭いです(エピソードの大半)。
あと融通もききません(エピソードの大半)。
人見知りでしたね(そういえば2話)。
愛想もよくない(たしかに2話)。
うん、まさしくその通りとしか。
でも、憎めない。なんていうか、純粋なんですよね。意気地といわれてしまえばそうなんですが、芯の強さというか、心の強さというか。
そういった、生きていくうえで妥協しないといけないこと、あるいは、妥協することに納得していないのに、そっちの方が賢いからと諦めてしまう、そんな考えが、彼女にはない。
自分の正しさを信じる。いえ、自分は間違ってないと信じる。
そのひたむきさが、どうにも私は好きなようです。
まあ、初対面の人から貰ったものを怒りに任せてぶん回す狂犬でもありますが。
前例のない独特な3DCG
テイストは変わりますが、これもまた大きな魅力です。
最近、ウマ娘の映画が公開されましたが、まさしく新時代の扉を開いたのではないでしょうか。
言葉だけだと非常に表現が難しいのですが、アニメと従来の3DCGの融合と銘打ってみましょう。
フェイスラインを見ていただければわかるのですが、アニメと同じように実線がみてとれます。
そのおかげか、表情がじつに分かりやすい。アニメでよくみられるような、大げさに崩した表情も多かったですし、口の動きもはっきりしている。
アニメだとなんてことのないポイントですが、3DCGでこういった表情を作るには大変な作業が必要になるそうです。
つまり、凝っているということですね。
それから、なんといっても、11話のライブシーン。
多くの人が絶賛したあのライブです。
「空白とカタルシス」という曲ももちろんカッコよかったのですが、そこまでの盛り上げ方にも注目です。
ライブのリハーサルのサウンドチェックを丁寧に、そして忠実に描いていました。劇中に流れている程よい緊張感やエンドクレジットの入れ方など、理性ではなく感情を突き動かすような仕上がりでした。
ライブシーンでは、それぞれのキャラクターのバックグラウンドから生まれる感情を爆発させたような疾走感・達成感・爽快感がたまらない。
あのレベルの3DCGは全くの新感覚でした。
人間的な複雑さを描く
人間的な複雑さ。
言葉にしてみると想像しにくいですが、簡単にいえば、人間って善悪二元論のように分けることできないものだよねってことで。
例えば、すばるの祖母・安和天童。
孫であるすばると共演することが夢であったことと、娘には女優という仕事を酷く嫌われていることを明かし、だからこそ、すばるが女優を目指すと言ったときは本当に嬉しかったと感謝しています。
それまで、仁菜たちに立ちふさがるような悪役的なポジションでしたが、一気に人間味あふれるキャラクターになりました。
そして、それは仁菜の父親・井芹宗男にも言えることです。
教育者としての立場をかなぐり捨てても、様々な場所へ行っては娘の教育についてアドバイスを求めたり、学校側にいじめを認めさせたりして、何より、親としてちゃんと心配していました。愛していました。
それが仁菜に伝わっていなかったのは、ある種、他でもない仁菜の父親だからかもしれませんね。
感想
はじめは単なる好奇心でした。
「でも、私たちは何かを好きでいたいから」
そんなキャッチコピーのような言葉をきっかけに一話を視聴しただけでした。
PVなんて見てないし、3DCGであることすら知らなかった。
だというのに、いえ、だからこそ、無防備に彼女の歌を聴いてしまったのでしょう。
鬱屈した想いを歌にぶちこんで、叫ぶこと。
たったそれだけのことに、引き込まれてしまいました。
全部をさらけ出すなんて、簡単なことじゃありません。少なくとも、もう自分にはできないことです。
だからこそ、そんな生き方を選んだ仁菜たちの物語に夢中になっていったのかもしれませんね。
まとめ
今回は“ガールズバンドクライ”について、簡単に感想や魅力を書いてみました。
いや、本当に良いアニメに出会えたなぁと思います。
それに最近、話題は少ないけれどハマる人にはハマるだろうなぁという映画に出会えましたし、これだから日本のエンタメはやめられません。
また、その話はおいおい。
それでは。